「人手不足って本当?それとも大げさ?」そんな疑問を抱えていませんか?現場で働いていると、報道と現実のギャップにモヤモヤすることもありますよね。僕もその一人でした。この記事では、元介護士の私が実体験をもとに、介護の人手不足の“嘘と真実”をわかりやすくお伝えします。
介護の人手不足は本当に嘘なのか?
実際に人手は足りているのか?
人手不足が叫ばれる介護業界ですが、「現場によってはそこまで不足していないのでは?」と感じる人もいるかもしれません。実際、僕が働いていた特別養護老人ホームでは、慢性的な人手不足というより「余裕はないけど、なんとか回っている」というギリギリの状態が続いていました。
とはいえ、これはあくまで“表面的に成り立っているように見える”だけの話です。新人さんがすぐ辞めたり、有給が取れなかったり、急な休みに対応できる余裕がない職場は非常に多いです。僕の経験でも、スタッフが1人休んだだけでシフトが総崩れになり、リーダーが現場に出ざるを得ない状況が頻繁にありました。
人手が「足りているように見える」のは、残っているスタッフが頑張って補っているから。つまり、足りているのではなく、無理してなんとか成り立たせているだけなんです。そう考えると、現場に余裕のある人員配置がされている施設は、ごく一部と言えるのではないでしょうか。
経営側の都合で「人手不足」と言われている?
介護業界でよく耳にするのが、「人手不足って、経営者がもっと利益を出すための方便なんじゃないか?」という声です。僕自身、現場で働いていた頃にそう感じたことが何度もあります。
たとえば、定員が満床なのにスタッフの増員がまったくないまま、利用者のADLが下がり介助量だけが増えていく…という状況。経営的には利益が出ているはずなのに、人件費を増やす動きがない。そうなると、現場にしわ寄せがきて当然です。
もちろん、経営側にも事情があることは理解しています。報酬制度や制度変更への対応、経費削減の必要性など、一概に「ケチっている」とは言えません。でも、働く側からすれば「お金のために人手を絞ってる」と感じてしまう瞬間は確かにあります。
すべての施設がそうだとは言いませんが、人手不足の背景に“経営判断”があるケースは少なくないと思っています。
メディア報道と現場の温度差とは
ニュースなどで「介護業界の人手不足が深刻」と報じられるのを見て、「それ、前からじゃん…」と違和感を覚えたことはありませんか? 僕も現場で働いていた頃、何度もそう感じていました。
メディアは大げさに「介護崩壊」と取り上げますが、実際の現場ではとっくに限界を迎えているところも多いんです。むしろ、「今さら何を言ってるの?」という空気すらありました。
現場では1人のスタッフが複数人を同時に介助するのが当たり前で、トイレ対応や移乗で腰を痛めても、替えの人がいなければ休めない。こうした実情が、報道ではなかなか伝わってきません。
温度差が生まれる背景には、取材対象が経営者や業界団体であるケースが多いことも関係していると思います。現場の声は拾いきれないし、表に出づらい。だからこそ、こうして僕のような元介護士が「実際はこうだった」と発信していくことが必要なのかもしれません。
嘘と言われても介護現場で辞めたくなる理由
介護職を辞めたいと感じる本当の理由
僕が現場にいた頃、「もう辞めたい」と感じた瞬間は一度や二度じゃありませんでした。体力的にきつい、給料が少ない、人間関係がしんどい…理由を挙げればキリがありません。でも、多くの介護士が共通して感じるのは、「自分の努力や思いやりが報われていない」と思う瞬間だと思います。
利用者さんに感謝されることもあるし、やりがいを感じる場面もあります。でも、忙しすぎて一人ひとりに向き合う時間なんて取れない。時間に追われて、ただ身体介助をこなす日々になってしまうんです。
僕の場合、副業を始めたことで「他の道もある」と気づき、退職を決断できました。ですが、そうじゃない人は「辞めたいけど辞められない」と葛藤を抱え続けてしまう。だからこそ、辞めたくなるのは甘えじゃなく、自然な感情だと僕は思います。
介護職はあほらしいと思われる背景
現場で働いていると、「この仕事、なんかあほらしいな…」と感じることが何度かありました。たとえば、リーダーがいない日は若手が現場を回すしかなくて、何か問題が起きても責任だけ押しつけられる。でも給料は上がらないし、評価もされない。頑張っても報われない構造が、そう思わせるんです。
また、介護職に対する世間のイメージも関係しています。「誰でもできる仕事でしょ」と言われたこともありますし、「え? まだ介護士やってるの?」と驚かれたこともありました。実際には専門性も根気も必要なのに、そう見られていないことにモヤモヤするんですよね。
だからといって、この仕事自体があほらしいとは思いません。ただ、構造的に“そう思わされてしまう環境”があるのは事実です。それが離職や不信感の根っこになっていると感じます。
退職理由を嘘でごまかしてもバレないのか?
正直に言えば、退職理由に本音を書くと角が立つことってありますよね。僕も「給料が安すぎて生活できない」とか「リーダーの対応が最悪だった」とか、言いたいことはいろいろありました。でも、実際に面談や書類にそのまま書くのはためらわれました。
では、嘘の理由を書いてもバレるのか? 結論から言えば、よほど変な内容じゃなければバレません。「家庭の事情」や「キャリアチェンジを考えて」など、一般的な表現で済ませてしまう人も多いですし、僕もそうしてきました。
ただし、あまりにも漠然としすぎると逆に疑われることもあるので、「資格を活かして違う形で介護に関わりたい」など、前向きなニュアンスに変えるのがポイントです。実際に僕はライターに転向する理由を伝えたとき、理解を示してくれる上司もいました。
退職理由は本音と建前をうまく使い分けるのがコツ。無理に正直にならなくても、自分を守る表現で伝えてOKだと僕は思っています。
介護人手不足の嘘が信じられなくなる未来予測
介護人手不足が続いたらどうなる?
介護現場の人手不足がこのまま続いた場合、もっとも深刻なのは「介護の質の低下」です。今でも1人のスタッフが何人もの利用者さんを担当し、時間に追われながらケアをこなしている状態。これがさらに悪化すると、安全面のリスクや精神的な余裕のなさから、事故やトラブルが増える恐れがあります。
僕が働いていた施設でも、夜勤帯でスタッフが2人から1人に減ったとき、コール対応が追いつかず、転倒事故が起きたことがありました。悪気があったわけじゃなくても、物理的に限界があるんです。
さらに、人手不足が続くと新人の育成にも時間が割けなくなり、「教える余裕がないから辞められる→もっと人が減る」という悪循環に陥ります。このサイクルが長引けば、介護職自体が敬遠される職業になりかねません。
介護は人と人の仕事です。マンパワーが不足すれば、利用者さんだけでなく働く側の安全ややりがいも脅かされる。だからこそ、早急な対策が必要だと感じています。
介護職員が増えない理由とは?
介護職員がなかなか増えない背景には、いくつかの要因があります。その一つが、待遇の低さ。特に初任給の低さは、他業種と比べてもかなり見劣りします。僕も無資格・夜勤2回で手取り14.2万円というスタートだったので、生活に余裕はまったくありませんでした。
もう一つは、仕事の大変さが正しく伝わっていないことです。介護は単なる「お世話」ではなく、医療的な知識や観察力、体力も求められる専門職です。でも、世間の認識としては「誰でもできる簡単な仕事」と見られてしまうことが多い。それが結果的に志望者の減少につながっていると感じます。
また、現場の人間関係や指導環境にも課題があります。僕がいた職場でも、新人さんが入っても十分なフォローができずに辞めてしまうケースが何度もありました。「厳しく教えなきゃ育たない」という古い文化が残っているところもまだまだあります。
職員を増やすには、給料や待遇の改善だけでなく、働く環境そのものを見直す必要がある。そうでなければ、せっかく志してくれた人たちもすぐに離れてしまうのが現実です。
介護の人手不足は嘘?実態とのギャップ
介護人手不足が改善しない制度上の問題
介護業界の人手不足は、単に「働き手がいない」というだけではなく、制度そのものに課題があると感じています。僕が特養や有料老人ホームで働いていたときも、現場の頑張りだけではどうにもならない壁に何度もぶつかりました。
たとえば、介護報酬制度の仕組みです。利用者さんの介護度や施設の種類によって報酬が決まりますが、現場の実態と合っていないことも多いです。必要な人員配置やケアの量が増えても、報酬がすぐには引き上げられない。結果として人件費を上げる余裕がなく、スタッフの待遇改善に回せない状態が続いてしまいます。
さらに、資格取得やキャリアアップに対する支援が限定的なことも問題です。現場で働きながら資格を取るには時間もお金もかかり、サポートが不十分だと途中で諦めてしまう人もいます。人材を育てる制度や補助金の仕組みが整っていなければ、せっかく介護を志した人たちが定着しにくくなってしまうのです。
こうした制度の遅れが、現場の人手不足をさらに深刻化させる一因になっていると、元介護士として肌で感じています。
介護職員の質の低下がもたらす影響
人手不足が続くと、どうしても職員一人ひとりの負担が増えます。その結果、経験が浅いスタッフが即戦力として現場に立たされるケースが増え、教育が追いつかないまま業務を任せることになってしまいます。僕も新人の頃、先輩が指導に入る余裕がなく、見よう見まねでケアを覚えた経験があります。
職員の質が低下すると、まず影響を受けるのは利用者さんです。たとえば、移乗や排泄介助など、正しい手順を守らないと転倒や褥瘡などの事故が起きやすくなります。また、観察力が不足すると、ちょっとした体調変化を見逃してしまうこともあります。
現場の空気も悪くなります。余裕のない環境ではミスが増え、スタッフ同士の関係がぎくしゃくしやすい。新人が辞めて、残った人がさらに疲弊するという悪循環が加速します。
質の低下は本人だけの問題ではなく、制度や環境の問題とも直結しています。僕が感じていたのは、教育の仕組みや人員配置が整えば、スタッフの質も自然と上がるということです。だからこそ、待遇改善と並行して「質を保てる環境づくり」が必要だと思います。
介護人手不足の嘘を信じる前に知っておきたい声
知恵袋に多い介護の誤解と本音
ネット掲示板や知恵袋を見ていると、「介護って誰にでもできるでしょ?」「楽そうなのに何で人が辞めるの?」という声を目にすることがあります。これって、実際に現場で働いたことがない人の誤解だと強く感じます。
介護の仕事は、身体を使うだけではありません。利用者さんの健康状態を観察し、精神面にも気を配る必要があります。僕も現場にいたときは、「今日は少し食事量が少ないな」「表情がいつもと違うな」といった細かな変化に注意を向けていました。こういう感覚は、マニュアルでは身につきません。
一方で、知恵袋には「もう限界です」「夜勤がきついのに給料が上がらない」といった現場のリアルな声もあります。これらの本音には、僕自身も何度もうなずかされました。特に夜勤明けで、誰にも気づかれずに泣いた経験のある人は少なくないはずです。
誤解と本音が混在するネットの情報に触れるたびに、介護の現実を知らないまま発言している人が多いことを実感します。だからこそ、僕ら経験者が自分の言葉で事実を伝えていくことが大切だと思っています。
介護人手不足は当たり前という感覚の正体
「人手不足なんて、どこもそうでしょ?」と、介護業界に限らず言われることはあります。ただ、介護現場での“人手不足の当たり前”は、ちょっとレベルが違います。
僕がいた施設でも、シフトは常にギリギリ。1人休むだけで、翌月の勤務表が総崩れになるなんてことも普通にありました。「欠員補充がこないのは当たり前」「忙しくても昼休憩は削るしかない」といった感覚が、無意識のうちに“常識”になっていたんです。
怖いのは、それが当たり前になってしまっている職場では、改善の声が上がりにくいこと。「自分だけ楽をしたいと思われたくない」「みんな我慢してるから言いにくい」という空気が広がると、根本的な解決が遠のいてしまいます。
この“当たり前”の感覚は、本来あるべき働き方を見失わせます。そして、やりがいを感じていたはずの介護の仕事が、ただの苦痛に変わってしまうこともある。だからこそ、「当たり前」を疑い、声を上げられる環境づくりが必要なんじゃないかと僕は思います。
人手不足が深刻な職業ランキングの中での位置づけ
厚生労働省や求人サイトなどが発表している「人手不足が深刻な職業ランキング」を見ると、介護職はほぼ常連です。僕が働いていた頃も、求人票はいつも貼り出されていて、「また新しい人が来るのかな」と思っていたら、面接すら入らないなんてことも多々ありました。
介護職がランキング上位にいる背景には、やはり離職率の高さと定着率の低さがあります。労働環境がハードであることに加えて、給与面の課題や社会的な評価の低さも影響していると感じます。
前述の通り、「誰でもできる仕事」という偏見があることで、若い人材の流入も伸び悩んでいます。僕の周りでも、「資格を取ったけど結局働かないまま」という人が少なくありませんでした。
ランキングで上位にいるということは、それだけ社会的に求められている職業でもあるということ。問題なのは、そのニーズに対して待遇や環境が見合っていない点です。これが変わらなければ、今後もランキング上位から外れることはないだろうと感じています。
まとめ
介護業界の人手不足は、単なる人数の問題ではなく、制度・環境・評価すべてが絡み合った複雑な課題です。「もう限界」「報われない」と感じている方も多いはず。でも、それを自分のせいにしないでください。現場の努力でギリギリ成り立っている状態こそが問題なんです。環境が変わらないなら、まずは自分の働き方を見直すことも一つの選択肢。介護職の経験は、実は他の分野でも大きな強みになります。
自分は、「もう無理かも」って思ってた側の人間です。
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