― 信頼される人は、正しく座らず、開いている

「ちゃんとした姿勢」が、なぜか距離を生むとき

✔ 面接中、とにかく姿勢を意識して“背筋をピン”
✔ 手はきちんと揃えて、ひざに置く
✔ 無意識に、緊張の形として“固まった姿勢”になっている

これは一見、礼儀正しい振る舞いに見えます。
でも面接官から見ると、その“正しさ”がむしろ不自然に映ることがあります。

実は、“ピシッとした姿勢”が伝えているのは、
「あなたと私はまだ関係ができていません」という身体からのサインかもしれません。

🧠 姿勢は「自分を見せるもの」ではなく、「他人に合わせる余白」である

✅ 人は「構えている身体」に“壁”を感じる

行動心理学では、人が他者の姿勢を読むとき、
それが“自分に向いている”のか、“自分から遠ざかっている”のかを直感的に判断します。

📖 参考研究(Friedman & Riggio, 1982)

  • 硬直した姿勢は、緊張・不安・対立を意味する
  • “脱力された開かれた姿勢”は、信頼・協調・共感のサインとして受け取られる

つまり、「ピシッと座る」=「守りの構え」に見える可能性がある。

自信を見せているつもりが、
実は「この人、閉じてるな」「緊張しているな」と解釈されているとしたら――
それは、信頼形成の逆効果です。

✨ 姿勢は「会話の準備運動」である

面接官に「この人、話しやすいな」と思わせる人には、共通点があります。

それは、“身体に余白がある”ということ。

  • 肩に力が入っていない
  • 手の位置が固定されすぎていない
  • 背筋は整っているが、呼吸が通っている

そうした身体は、「あなたに近づいてもいいですよ」という、非言語の承認サインを出しているのです。

✅ 信頼を生む“しなやかな姿勢”のつくり方

① 背筋を“上に引っ張る”イメージで整える(押しつけずに)

🧭 どうやる?

  • 背筋は「ピンと伸ばす」よりも、「上にスッと引き上げられている感覚」を意識
  • 首から頭頂までが“吊られている”ように感じると、自然に背筋が整う

💬 動作の流れ:

  1. 椅子に座るとき、深く腰掛けず、やや浅めに座る
  2. 背もたれに頼らず、背筋を少し引き上げるイメージで軸を取る
  3. 胸を張らず、肩を軽く下げて、首元はリラックス

📌 チェックポイント:

  • 「胸を張る」=力みやすいのでNG
  • 腰をぐっと固めると、呼吸が浅くなり、緊張感が伝わりやすくなる
  • 軸を持ちつつも、肩と顔周りに“余白”を残すのが理想

② 手の置き方に“可動域”を残す

🧭 どうやる?

  • 手を揃えて膝に「ピタッ」と固定しない
  • 手の形に“遊び”を持たせることで、身体の余裕が相手に伝わる

💬 自然な手の配置例:

  1. 膝の上で軽く指先を重ねる(きっちり揃えすぎない)
  2. 手のひらを伏せきらず、少し浮かせておくと柔らかさが出る
  3. 指先を開いたり、話しながら少し動かすのもOK(動作はゆったりと)

📌 NGパターン:

  • 握り拳や手のこぶしを作る → 緊張・攻撃的に見える
  • 手のひらをぴったり膝に押しつける → 固定=防御と受け取られることも

③ 姿勢を“静止”ではなく、“呼吸”と連動させる

🧭 どうやる?

  • 姿勢は「止める」ものではなく、「呼吸が通る道をつくる感覚
  • 話すときに、肩や胸がわずかに動くくらいが自然で好印象

💬 呼吸と連動させた姿勢づくり:

  1. 座ったら、口を閉じて鼻呼吸でゆっくり吸って・吐くを3回
  2. 息を吐くときに、肩の力を抜く+顔の表情も柔らげる
  3. 話すとき、声と一緒に手・表情・身体がわずかに動くようにする
     (例:「私が大切にしているのは…」と語りながら、指が少し動く)

📌 目安:

  • 1分間に1〜2回、肩の位置や表情を小さく変える動きがあると、呼吸が通っている証拠
  • 呼吸が止まっていると、表情も身体も“固まって見える”

🌀 NG姿勢は、“緊張の証明書”になっている

ありがちな姿勢面接官の無意識な印象
背中を張りすぎているこの人、緊張してるな(or 防御してる?)
手をひざの上で固定している動きがなさすぎて、感情が伝わってこない
肩が上がっている威圧的?もしくは自信がなさそう…

💬 改善ワンポイント:

  • ✔ 姿勢が「止まっている」より、「微かに動いている」方が人間らしく映る
  • ✔ 面接官は“言葉”よりも“空気”を見ている。呼吸・表情・身体の柔らかさを感じ取っている

💬 面接官が好印象を持つのは、「余裕ある身体」だけ

話し方ではなく、
表情ではなく、
最初の数秒で「この人、いい感じ」と思わせる人は、姿勢の力みが少ない

“何を話すか”よりも、“どうそこにいるか”の方が先に伝わるのです。

✨まとめ:「しっかりする」より、「開かれている」姿勢が信頼を生む

✔ 姿勢を“固める”と、信頼ではなく距離を生む
✔ ピシッとした身体は、自分の緊張を守る“装甲”になる
✔ しなやかで、呼吸の通った姿勢こそが、面接官の無意識を開く

🧭 次に読むなら:

目線を外すと、逆に信頼される?面接中の“アイコンタクト操作術”
― 見ることより、“見ないタイミング”が好印象を作る理由